Twitterでたまに絡んでくださる双子パパのYuichiさん(@fp_yuichi_fp)が、「待機児童ゼロチャレンジ」という挑戦を始めた、というツイートを見ました。
双子のパパYuichi@はてな再開@fp_yuichi_fpこんな僕が新しいチャレンジを企画してみました!
2016/01/25 17:34:53
【拡散希望!】働きたいけど働けない!待機児童問題に悩むママパパの声を聞いて!!「待機児童ゼロチャレンジ」を開催します!#taikijidou0challenge https://t.co/0LcO5t7yIp
正直考えはまとまっていないし、知識も乏しく崇高なことが言えるわけでもない。
でもこの機会に、現在生後4ヶ月の子を持つ一母親として、今思っていることを書いておこうと思います。
まずは現在の私の状況を
私は2015年9月に出産し、現在育休中。
都内にある社員数十名のベンチャー企業に約6年間勤務。育休から復帰した女性社員の実績はなし。
今後についてはこれから会社と相談、という段階です。
保育園はなんのためのもの?
保育園は現状の役割としてはなんらかの事情で「保育に欠ける」子どもを保護者に代わって保育する福祉施設。親に代わって乳幼児の健全な心身の発達を図ることが求められています。
ただし、保育士は保育のプロではあるものの、親の代わりにだけはなることができません。乳幼児の愛着形成において、特に生後6ヶ月から1歳半というのは大切な時期です。その期間に特定の人(多くの場合は親)と十分に触れ合うことで、子どもは心の
安全基地を見つけることができると言われています。
なので、保育園に預けるかどうかは関係なく、親と子が一緒に過ごす時間にきちんと愛着を築くことはとても大切なこと。そのためには、親側にある程度の心の余裕があることも重要だと感じます。
こうした前提を踏まえ、男女問わず、子育て中の親にあえて今一度問わせてください。
「あなたはなぜ子どもを預けて仕事をするの?」
・働きたいから?
・お金が必要だから?
・早く復帰しないと退職しなければならなくなるから?
いろいろな答えがあると思います。
くれぐれも誤解のないよう言っておきたいのですが、この問いは決して「子どもを預けて仕事をすること」の是非を問うため投げかけたものではありません。
ただ「子育ても家庭における一つの仕事」と考えた上で保育園に預ける意味を、もし考えたことがなければ一度考えてもらいたいと思ったからです。
預けていたって、それ以外の時間に愛情をしっかり注ぐことは必ずできる。だから預けて働くという決断をした家庭は、自信を持ってそうしてほしいです。
でも、待機児童問題で必要以上に早い時期から預けたり、遠くの保育園に預けることになって必要以上にすり減ってしまうというのは大きな問題だと思います。
そのための理由がお金のためだけだったら特に。
なので、社会全体としてそれをサポートする案として、次のような対策を考えてみました。
待機児童を減らすために、家庭における保育も再評価してみませんか?
生活するためには、収入を得ることが不可欠ですよね。だから働く。(もちろん働くことの意味は稼ぐことだけではありませんが)
そして子どもが生まれると、「稼ぐ」以外の仕事が生まれます。それが保育。その保育を外で働くために外注したい人が保育の供給量より多いと、待機児童が発生します。
では、保育を外注しないで家庭内で行う選択肢はないのか。
・夫が外で働いて、妻が保育
・妻が外で働いて、夫が保育
・夫も妻も負荷を減らして働いて、減らした時間で保育
時代に逆らっていると思われるかもしれませんが…こういう選択肢もありなのでは?
待機児童ゼロを目指すためのアイデア
そこで考えたのが、こんな施策。
「3歳までの乳児の保育を家庭で行った場合、その保育に対して報酬を与える」
家庭での子育ても立派な仕事だと認められ、対価として報酬があれば、家庭での保育を望む人はそちらに流れ、本当に仕事がしたい人への枠が空くのではないでしょうか。
また、国として待機児童対策に力を入れるというのであれば、保育園を新設したり保育士を増やすことにお金を入れるのではなく、その分のお金を家庭で育児を行う世帯に回すというのは、一つの選択肢ではないかと思います。家庭保育を推すのは、徒らに保育園を作ったり規制を緩和することは保育の安全を毀損することにつながりかねなくてあまりポジティブではないという背景もあります。
特に0歳児は乳児3人に対して保育士1人、1,2歳児は幼児6人に対して保育士1人以上の配置基準があります。保育士不足や受け皿不足というのは特にこの年代を預けたい人が増えているから起こっているのだと思うので、この年代において預けたい人を減らすというのは一つの解なのではないかと。3歳を超えれば基準が保育士1人で20人になりますからね。
また、周りを見ると本当は1歳で預けたいけれど0歳児からでないと枠がなくなってしまうから止むを得ず0歳から預ける選択をする人もいるのではないかと感じていて、早くから預けることが本人の意思ではないのであればもったいないとも思います。そういう意味でも、本当に預けたいわけではない人は、心置きなく椅子を放棄できるようにした方が実は健全だったりしないでしょうか。
私が思うに、子育ての辛さって、常に目が離せないし責任重大で大変なのに仕事としても認められない、というところなんじゃないかと。だからなんとなく、本当は家で子育てをしたいのに、無理してでも「両立してでも働かなきゃ」と思う人が出る。
でも、それで自分の気持ちも定まらないまま中途半端にパートで数万稼ぐために心も身体もすり減らしているとしたらそれは、本当の社会参加と言えるのでしょうか。
それよりも「家庭での保育の報酬」を子育ての担い手に対して、仮に月数万でも自治体から出すなどすれば、待機児童も減らせて保育関連にかけるコストも削減できる、なんてことはないでしょうか。
さらには、だったら産もうかな、と思う人が増えれば少子化対策にも…?
(子育ての時給は約1300円、なんていう話題もあるので、そんな労働をしているということは、もう少しちゃんと評価されてもいいのかなーと思います)
さらに、子どもが幼稚園や小学校に通うようになったタイミングでまた働けるよう、企業による再就職の受け皿が増えるなどすればよりよいですよね。企業におちて子が3歳になるまで育休を推奨するなどの取り組みもいいかも。
最後に
今回は、外で働き続けたい人は男女問わず働けばいいし、「保育」という仕事を家でしたい人は堂々と家で保育をしたらいい、という形を提示することで、待機児童ゼロを目指せないかということを考えてみました。
難しい問題だし、言葉足らずなところは多々あるかと思います。ここまで読んでくださった方がもしいたら、どうもありがとうございます。自分の気持ちと社会全体の話をごっちゃに書いてしまったので構成がとっ散らかってますね。。
世間の「女性を活用しよう」という取り組みに逆行している、と捉えられるかもしれませんがそういうつもりはなく、むしろそれはそれで賛成です。
もちろん保育園に預けて働き続けようという人は、引き続きそうすればいい。また、子育ての担い手は父親でもいいし、父親母親双方が仕事の負荷を減らして子育てを分担してもいい。だからあえて「専業主婦」という言葉は使っていません。
ただ世間体とか気にして、ちょっと無理して保育園に入れて外で働いている人、実はいるんじゃないかな。そのしわ寄せが子どもにいっちゃってたりしないかな。そう思い、保育を外注しない選択をした人も生き生きと子育てができる状況を整えることで枠を空けるというのも、働きたい人をサポートするための一つの手じゃないかなと思った次第です。専業で子育てをする決断の先に待っているのは、決してお花畑ではないと思うから。
待機児童問題になると、どうしても働きたい側の意見が表に出がちかなと思います。特にアイコンとして目立つのはわかりやすいバリキャリの方だけど、みんながみんなそういうわけではないんじゃないかな。そこで、家での保育を堂々とできたら…そう思う人ももしかしたらサイレントマジョリティーとして存在しているのでは?との思いから、ちょっと勇気が要ったのですが、率直な気持ちを書いてみました。
愛着形成の話については、個人で活動をしている中で、中高生の悩み相談に乗る機会がありまして。その中で、「親が忙しそうでなかなか本音を言えない」などと悩んでいる子どもがそれなりにいるため、警鐘を鳴らす意味でも触れました。ただ最初にも書きましたが、時間は短くたって愛情を注ぐことは十分に可能だし、保育士さんたちももちろん保育のプロフェッショナル。なので必要以上に心配しなくても大丈夫だということは添えておきます。
もちろん素人考えなので、異論反論などあればぜひ教えてください。私自身思ったことを晒すのは思考が広がるチャンスだと思っているので。
また他にも、京都移住計画、札幌移住計画、福岡移住計画などのように各地方発の〇〇移住計画という取り組みも盛り上がってきていますし、自治体主導で事業拠点を首都圏から地方に移すような取り組みも。待機児童問題は主に都市部だけの問題なので、こうした取り組みが進むことも解決の糸口になるかもしれません。
私もまだまだ母親として駆け出し。これから考えが変わることも大いにあるかと思いますが、現時点での率直な思いを書いてみました。考える機会をくださったYuichiさん、どうもありがとうございました!
保育園に預けて外で働きたい人も、家で育児をしたい人も、お互いがお互いを認めつつ比較せず、できるだけ幸せに生きていけたらいいな。
これからもたくさんの意見が出て、活発な議論につながりますように。
▼この企画の趣旨や概要は、こちらのYuichiさんのブログをご覧ください。
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